2016/01/30

【4‐1】笄川水系の概要

 笄川(こうがいがわ)は、舌状に張り出した台地となっている青山墓地の両脇の谷筋から流れ出し、いくつもの支流をあわせながら南下して天現寺橋で渋谷川に合流していた川です。「笄開川」「親川」「龍川」とも呼ばれていたこの流れはいくつもの支流をもち、渋谷川の支流では宇田川に次ぐ規模の水系となっていました。
 本流は1937年に大部分が暗渠化され、部分的に各地に残っていた開渠も東京オリンピック前後までには暗渠化されました。これから数回にわたりその水系を追っていきます。本流の笄川以外、公式な名称はなかったようですが、わかりやすくするため、各支流に対して旧町名などから以下のとおり仮称をつけることとします。

[笄川本流]
 地下鉄銀座線外苑前駅付近を水源とし青山墓地西縁を南下する流れ
(※蛇が池からの流れを本流とする見方もありますが、ここでは全長の長いこちらを本流とします)
[長者丸支流]
 南青山3-6近辺を水源とし、南青山4丁目の谷を東進する流れ
[根津邸支流]
 根津美術館の池近辺を水源とする流れ
[蛇が池支流]
 南青山1丁目にあった蛇が池を水源とし青山墓地東縁を南下する流れ
[龍土町支流]
 六本木7-6近辺を水源とし星条旗通りを西進する流れ
[高樹町支流]
 南青山7-12にあった丹南藩高樹邸の池を水源とする流れ
[宮代町支流]
 聖心女子大学の北側境界の谷を東進する流れ
[有栖川宮支流]
 有栖川宮記念公園の池に発する流れ
 (※川があったかどうかは不明ですが、便宜上支流と名づけておきます)



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